やっと芽が出た



インプラントの手術をしても、歯が入るのは数ヶ月もあとのことです。
大きな手術をして、体が元の状態に戻るのは時間がかかります。
骨折でも2ヶ月は安静にして、それからリハビリが始まるように、インプラントも手術が終わったら安静期間が必要です。
骨の状態にも寄りますが、健康な骨の部分であれば2ヶ月くらい、骨が薄かったり、治りの悪いところは半年以上かかることもあります。

ちょっと専門的な話をしますと、
骨と言うのは、骨折したりすると、その部分に破骨細胞という、骨を壊す細胞が現れます。
折れて役に立たなくなった骨を分解する役目があります。
そして壊れた骨の組織を取り除き、新しい骨を作るために、整地を行なうのです。
その後に骨細胞が現れて、リン酸カルシウムとコラーゲンをくっつけ、骨を作っていきます。
人間の骨は、骨折などをしていなくても、破骨細胞と骨細胞が常に活動していて、全身の骨を数ヶ月でそっくりt入れ替えてしまいます。
この入れ替え作業が常に行なわれているので、骨折しても骨が治りますし、インプラントの周囲に新しい骨が出来てくるのです。

しかし、どうしても骨が再生できないこともあります。
その理由の一つが、細菌感染です。
菌の出す毒素によって骨の細胞が破壊されてしまうので、いつまでたっても骨が出来てきません。

長い間、骨が感染を起こしてるところも、新しい骨が出来てこないところです。
異物が存在する場合も骨の再生は阻害されます。

インプラントの手術が終わって治癒期間が過ぎても骨が出来てこないときは、再手術が必要になります。
骨が出来てるかどうかは、手術したドクターが一番気をもむところですね。

photo by: halfrain

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安静にしています



インプラントの治療後は、治癒期間が必要です。
手術が終わってすぐに物が咬めるようになるのではないので、まずは術後の管理が大事ですね。
処置後すぐは、まだ傷口がふさがっていません。
お口の中での処置ですから、麻酔が切れたあとの出血や痛みも当然ありえます。
スタッフか、先生からの注意がありますので、必ず守るようにしましょう。

口の中の傷と言うのは、非常に治りが早いのが特徴です。
何故かというと、もし口の中の傷が治らなかったら、いつまでも食事が出来ませんよね。
食べられないのは、すぐに死に直結します。
ですので、口の中と言うのは再生力が非常に強いのです。

インプラントの処置を行なった後の傷でも同じです。傷口は数日で完全にふさがってきます。
ですが、その間はとてもデリケートな組織が作られていますから、処置を行なった方で何かを咬んだりするのは避けましょう。
特に埋め込まれたインプラントは、骨との結合に最低でも2週間が必要です。
この期間は絶対に処置を行なった場所に強い力をかけてはいけません。

手術後の流れは、当日は抗生物質と痛み止め、うがい薬をもらって帰ります。
薬は忘れないように飲みましょう。いくら傷を縫ってあっても、細菌感染はありえます。
抗生物質で細菌の活動を抑えておかなくてはいけません。

翌日、消毒を行なって傷の状態を確認してもらいます。
問題がなければ1週間くらいで抜糸を行ないます。
ここまで順調なら、治癒期間も順調に経過しますよ。

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骨に穴を開ける



インプラントの手術は、痛いと言われます。
でも実際に処置を行なってる最中は麻酔が効いているので、痛みは感じません。
局所麻酔で行なうことが殆どですが、全身疾患があるような人には麻酔医が常駐して管理しています。
その場合は全身麻酔を行なうこともあります。

インプラントとよばれるのは、直径4mm、長さ10mm程度の小さなチタン製の金属です。
これを失った歯のあった場所に小さな穴を開けて埋めます。
口の中、歯のあるところは粘膜で覆われていますが、歯槽骨と呼ばれる骨で出来てます。
この骨に穴を開けて、そこにインプラントを入れるのです。

骨は非常に硬いので、特殊なステンレス製のドリルを使って穴を開けていきます。
このとき、あける速度が速すぎると、骨とドリルの摩擦で熱が発生し、骨焼けと言う現象が起きます。
これは骨の表面が熱で変化してしまうのですが、そうすると治癒が極端に遅くなります。
ですので、ドリルで穴を開けるときは非常にゆっくりとした回転で行ないます。常に水をかけて冷やすこともします。
この骨に穴を開ける作業が、インプラントの手術で一番大事な部分です。

開ける場所を間違っては、後で正しい位置に歯が入りません。角度も重要です。
穴を開ける瞬間が、ドクターの最も緊張するときです。

失敗しないよう、難しいケースでは、ドリルを支える道具を使ったりもします。
慣れてる先生は、目測で作業を行ないますが、普通は模型の上で練習を何度も行ないます。

単に骨に穴を開けるといっても、その前準備にはいろいろな作業が必要なのです。

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