昔はいろんな材質がありました



今でこそ、チタンを利用したインプラントが主流ですが、昔はいろいろな材質が出回りました。
セラミックで出来たインプラントも一時期はやりましたが、強度の問題もあってすぐに消えてしまいましたね。

インプラントは歯を失った人には福音となっていますが、まだその恩恵を受けられない人がいます。
金属アレルギーの問題は、最近クローズアップされるようになってきました。
歯科で利用される金属には、銀、水銀、スズ、金、パラジウムというものがあります。
それ以外にもニッケル、コバルト、銅も使われます。
これらの金属に対してアレルギーを持ってる人は、チタンにも反応することがあるのです。

チタンは生体とつながる性質がありますが、アレルギーのある人には無理です。
ですので、このような人にはインプラント治療を行なうことが出来ません。

しかし最近になってこの問題を解消出来るかもしれない方法が見つかりました。
ジルコニアという材料があります。
キュービックジルコニアというと、ダイヤモンドのフェイクとして有名ですが、材質は全く同じものです。
人工ダイヤとして宝飾に使われていますね。
これが歯科の分野でも使われだしています。
非常に硬いので、セラミックの代わりに白い歯として利用されています。
このジルコニアだけで出来たインプラントがドイツで開発されたのです。
臨床試験も終わって、実際に利用されてるようですが、国内ではまだ手がけてる先生が殆どいません。
今後はアレルギーの問題で、このような材質のインプラントも出てくるでしょうね。

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古くからあります



インプラント治療はかなり古くから存在し、古くは古代ローマでも行われていた形跡が残っています。
当時は他人の歯を抜いて、自分の無くなった歯の部分に差し込んでいましたが、当然くっつくわけはありません。
科学的に臨床で利用されるのは、1960年代になってからです。

ウサギの実験中に偶然発見された、チタンが骨にくっつく性質から研究が始まりました。
そして現在は非常に有効な治療法として広く利用されています。

ですが、最初このころは今のようなシリンダータイプ(チューブのよな形)ではなく、ブレードタイプと言って、
薄い板状でした。
フォークのような形をしたチタンの板を、骨にスリット(溝)を掘って差し込んでいたのです。
歯茎の形や、細菌感染の問題を全く考えていない時代でしたので、臨床成績は非常に悪く、すぐに炎症を起こして抜けていました。
それでも、歯を失った人には朗報だったのです。

やがて感染の問題が分かってくると、一旦インプラント体を完全に埋めて治癒させ、その後で穴を開けて歯をつなげる二回法が考え出されます。
これにより成績が向上して、安定した治療法になってきました。

骨と口の中がつながる一回法は、早く終わるので楽ですが、感染症の問題がつねにあるので、リスクは高いです。
安全な二回法は、手術が二回必要ですし、その分費用も高くなります。
どちらが良いかと言うのはありませんが、経験のあるドクターなら、上手く使い分けできますね。

photo by: gustopher

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選択肢は3つ



歯を失うと言うのは、多くの場合が歯医者さんで抜歯されることです。
事故などで失うこともありますが、そういったケースはあまり多くありません。
たいては虫歯や歯周病の悪化で、保存することが出来なくなって抜歯に至ります。

確かに歯を失うことはつらいのですが、保存できない歯を残しておくと、さらに状況は悪化してしまいます。
虫歯の歯は、虫歯を媒介する原因となるので、他の歯に虫歯が移動していきます。
よく、虫歯を放置してる人がいますが、これは虫歯を自分で増やしてることになりますよ。

歯周病でグラグラになった歯も同様です。
歯周病菌が歯の周囲に大量に付着してるので、それが他の歯を悪くしてしまいます。
保存できない歯は、残しておくべきではありません。他の歯を守るために抜くのです。

抜いたあとは、早く何かを入れて歯の移動を食い止めます。
歯と言うのは、そのまま放置してると移動する性質があるのです。

歯医者さんで相談すると、三つの選択肢が出てきます。
まずは入れ歯。どんなに沢山の歯が抜けても、入れ歯を作ることが出来ます。
全ての歯を失っても、とりあえずは入れ歯で回復できますね。

次にブリッジです。これは抜いた歯の前後にある歯を削り、金属で連結することで無くなった歯の代わりを作ります。
まだ残ってる歯が多く、しっかりと咬めるのであれば、このブリッジを入れる人が多いですね。
ただし、金属を連結するので、銀色が目立つようになります。

最後にインプラントです。
これは無くなった歯の部分に、金属製の小さなネジを埋め込んで、人工の根を作る方法です。
最新ですし、もっとも良い選択枝ですが、保険治療が出来ないので高額になります。

photo by: Douglas R Witt

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2012年4月27日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:人の歯の話

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